オープンアクセスとCCライセンス
1999年の「科学と科学的知識の利用に関する世界宣言(ブダペスト宣言)」以来、世界的に学術論文のオープンアクセス化の動きが進められております。
日本学術振興会の平成29(2017)年の方針では、「本方針における論文のオープンアクセス化とは、査読付きの学術雑誌等に掲載された論文を誰でもインターネットから時間や場所の制約なく無料でアクセスし入手できるようにすることをいう。」と定めておりますが、2002年に公開されたBudapest Open Access Initiativeでは、その条件に加えて二次利用を認める範囲を明確に示すことを推奨しています。
また、科学技術振興機構も「オープンサイエンス促進に向けた研究成果の取扱いに関するJSTの基本方針」の中において、「オープンアクセス化に際して、研究成果論文の著作権や利用ルールについて、発表した学術誌等の方針及び研究者等の意向等を踏まえた上で、再利用等が可能な場合はその旨を明示することが望ましい。」としています。
論文をオープンアクセスにすることで、広く合法的に利用され、流通が促進されることが期待できます。また、論文の二次利用(複写・転載・翻訳等)に関する問い合わせ対応が軽減されます。
- 科学と科学的知識の利用に関する世界宣言(1999年7月1日採択)
- Budapest Open Access Initiative
- 独立行政法人日本学術振興会の事業における論文のオープンアクセス化に関する実施方針
- オープンサイエンス促進に向けた研究成果の取扱いに関するJSTの基本方針
二次利用を認める範囲を明記するために広く利用されているのがクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)です。
CCライセンスには6種類あり、このうち最も自由度の高い「CC-BY(表示)」を出版委員会では推奨しますが、別種のライセンスを選択していただいてもかまいません。CCライセンスを付与しないことも可能です。選択権は著者にありますので、それぞれにご都合のいいライセンスをお選びください。