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貴重資料展示室

宣明暦(2000年11月11日〜2001年3月25日)

宣明暦は、渤海から輸入された中国暦法(太陰太陽暦法)である。貞観4年(862)から貞享元年(1684)まで823年もの長期に渡り使われた暦法で、我が国で最も長く使われた暦法である。800年以上も使われた理由は、遣唐使の廃止(894)で、新しい中国の暦が入ってこなかったことや、長い戦乱の中で文化、学問も衰退し、新しい暦を作る土壌がなかったことによるだろう。宣明暦は優れた暦法であったが、1太陽年の長さが365.2446で0.0026日ほど長い為に800年も使っていると天文現象と暦の予報に違いがでてきていた。江戸時代になり、貞享元年(1684)渋川春海によって初めての日本の暦法「貞享暦」が作られ、貞享2年から使用された。

今回展示した書物は宣明暦法に関係するもので、年代的にも古く貴重な書物である。

「暦家秘道私記」:内題「宣明暦 注定付之事」 賀茂在富著 自筆本 一冊

暦家秘道私記・表紙

この本は賀茂在富の自筆本であり、永正8年(1511)賀茂在富の署名がある。賀茂家は大衍暦を中国から持ち帰った吉備真備を祖とする、代々暦道を司った家であったが、賀茂在富は息子に殺害され、お家断絶となったために、賀茂家最後の当主であった。

この本には宣明暦法による日蝕(食)・月蝕(食)の計算の方法などが書かれている。応永27年(1420)に賀茂在方が表し、その後、賀茂家の秘本として転写された。在富はその写本を基に写した。朱で書き込みがある。

「宣明暦」 吉田光由著 寛永21年(1644) 刊本3冊

宣明暦・表紙 宣明暦・本文

宣明暦のテキストである。本の形容から作者は「塵劫記」の著者として知られる吉田光由であろうとされる。この本の特徴は多色刷りの刊本であることで、朱、青の色が刷られている。また、表紙の色と紙質は江戸初期に発行された書物に使われている代表的なものである。

「長慶宣明暦算法」 安藤有益著 延宝4年(1676) 刊本7冊

長慶宣明暦算法・表紙

長慶宣明暦という表題は、唐(中国)の長慶2年から施行された暦なのでこの名を持つ。宣明暦法の為の計算法を説明している。

会津(福島県)の算学者であった安藤有益が宣明暦の計算法の実例を挙げながら説明している。

「宣明暦二十八宿吉日考入」 写本1冊 常楽院朱印

宣明暦二十八宿吉日考入・表紙

外題は表題でもあるが、内題は「大唐陰陽書」で、宣明暦より一代前の大衍暦の暦註書であり、最も古い暦註書である。宣明暦でも同じ暦註書が使われていたという。

残念ながら、写された時代、筆者は不明である。

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