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貴重資料展示室

江戸時代の観測機器(1994年11月12日〜1995年3月9日)

一般公開日の主テーマである「観測機器」にあわせて、江戸時代の観測機器について記述されている書物を取り上げた。

「測量諸器図巻」 写1冊

測量諸器図巻・小渾天儀 測量諸器図巻・小渾天儀

この写本の著者及び出版年代は不明であるが、江戸時代に使われていた測量機器の彩色図と解説が記されている。その中に初代天文方の 渋川春海(1639-1715)が用いた小渾天儀が描かれている。この器械は渾天儀から黄道、赤道、白道を取り除いて天経、天緯、地平の三環と 子午線、玉衝と言われる天をみるための筒から成り立っている。

この小渾天儀は貞享の改暦のための観測に用いられ、その後、宝暦暦の時に、京都の安倍家においても用いられた。

「寛政暦書」写本35巻35冊 渋川景佑他著

寛政暦書・測量台の図 寛政暦書・測量台の図

西洋天文学を取り入れて考案されたた寛政暦法暦理について書かれた「寛政暦書」は35巻35冊にものぼる。出来上がるまでに年月がかかり、実際に上奏されたのは弘化元年(1844)であった。その中の巻19-21は観測機器の図が載せられており、望遠鏡の図も出てくる。この頃になると観測も常時おこなわれるようになり、観測記録も残されている。

「杖突方位盤」

杖突方位盤

展示した機器は、故前山仁郎(元東京天文台講師)が収集したものである。これらは伊能忠敬の全国測量にも使われた機器と同型のものである。

「杖突方位盤」には「大野作」と彫られていて興味深い機器である。

「大野」家は、幕府天文台御用を勤めた時計師の一家で、大野規貞、大野規周が知られている。時計師であったが、後に測量機器も作るようになり、伊能忠敬の測量器も作ったといわれている。展示した機器も、この「大野」の可能性が高い。「杖突方位盤」は、測量をするときに方位を計るための必需品であったようだ。

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